液滴衝突動画に対するXAIを用いた研究観察手法の開発に成功
液滴衝突動画に対するXAIを用いた研究観察手法の開発に成功
国立大学法人新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】大学院工学研究院先端機械システム部門の田川義之教授と山中晃徳教授、同部門特任助教(研究当時)Yee Jingzu氏とPradipto氏、同大学院工学府機械システム工学専攻博士前期課程修了生の五十嵐大地氏、同課程在籍の熊谷俊亮氏は、液滴衝突現象におけるXAI(説明可能なAI)を用いた研究観察手法を開発しました。この成果により、様々な応用を持つ液滴衝突現象を時間的変化の詳細までより深く理解し、新たな応用が期待されます。
本研究成果は、Flow (IF=2.8)(12月20日付)に掲載されました。
論文タイトル: Morphological evolution of splashing drop revealed by interpretation of explainable artificial intelligence
URL:https://doi.org/10.1017/flo.2024.28
現状
液滴が固体面に衝突する現象(液滴衝突現象)は、航空や医用生体工学など様々な分野に応用できます。この液滴衝突現象を理解するには、注意深く観察することが大切です。しかし、物質の持つ様々な性質の影響を受けるため、肉眼での観察は困難です。近年、画像分類AIが著しく発展し、今まで人間の肉眼で行ってきたタスクを高速?高精度で行うことが可能になりました。しかし、AIが何を根拠に画像を判断?分類しているのかについては、解明されていないのが現状です。
研究体制
本研究は、新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】 田川義之教授(大学院工学研究院先端機械システム部門)、山中晃徳教授(大学院工学研究院先端機械システム部門)、Yee Jingzu氏(研究当時 大学院工学研究院先端機械システム部門特任助教)、Pradipto氏(研究当時 大学院工学研究院先端機械システム部門特任助教)、五十嵐大地氏(大学院工学府機械システム工学専攻博士前期課程修了)、熊谷俊亮氏(大学院工学府機械システム工学専攻博士前期課程在籍)により実施されました。本研究は、JSPS科研費20H00222、20H00223、20K20972、JSTさきがけJPMJPR21O5、SBIR JPMJST2355の支援を受けて行われました。
研究成果
本研究では、固体面に衝突した液滴が飛散する動画と、飛散しない動画を分類できるXAI(説明可能なAI)を新たに構築し、低粘度と高粘度の液滴衝突動画を学習させました。XAIは低粘度液体の飛散では92%、高粘度の液体の飛散では100%の精度で画像を分類しました。このXAIの分類根拠を可視化し、分析を行いました。その結果、XAIは液滴の輪郭、飛び散った小滴、また液滴の底部から皿状に広がった液膜に基づいて画像を分類していることが分かりました。また、XAIは動画のフレームごとを数値化して、液滴が飛び散るかどうかを判断して分類していることが判明しました。結果として、XAIは低粘度の液滴に対し衝突の早い段階で分類でき、高粘度の液滴に対しては衝突の遅い段階で分類できることが分かりました。このように液滴の時間変化に対してもXAIからこれまでにない知見を得られた点に、本研究の革新性があります。
今後の展開
本研究で開発したXAIを用いた研究観察手法は、肉眼に代わる、より高速?高精度な観察方法として期待されます。今後、液滴衝突現象の解明や様々な分野への応用が期待されます。
◆研究に関する問い合わせ◆
新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】 大学院工学研究院
先端機械システム部門 教授
田川 義之(たがわ よしゆき)
TEL/FAX:042-388-7407
E-mail:tagawayo(ここに@を入れてください)cc.wxanhx.com
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